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人は近い人を攻撃する

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 Twitterで、「普通の大学生には最終学歴を馬鹿にされるけど、東大生には馬鹿にされない。質の高い教育は大事だ」と話している人がいました。

 この話を聞いて、小池一夫さんの本に書かれていたことを思い出しました。

 「-この人たちは普段弱い立場の人間なのだろうな、弱いからこそ弱い立場の者の瑕疵が許せないのだろうなということです。弱い人がより弱い人を傷つけているのです」 小池一夫「人生の結論」

 私はこのツイッターのコメントと、小池一夫さんのこの理論は、真意を得ていないと思いました。私が思うのは、弱い人が弱い人を傷つけるとしても、強い人も強い人を傷つけるのです。つまり、人は、自分に近い人と張り合うのです。

 というのも、人が自己承認を保つためには、ライバルと争い、勝つ必要があるからです。人というより、どんな生き物もそうですけど、近い存在、同じような存在に対して、縄張り争いが必要になります。猫は猫どうし喧嘩しますが、猫とトラは喧嘩しないでしょう。トラは猫を超然と見つめるだろうし、猫はすぐに逃げると思います。自分と似た境遇でのポジションを争う必要がない時に、人は攻撃性を失うわけです。

 だから多分、東大の人は京大の人を攻撃すると思います。野球選手も、1軍選手は2軍選手を攻撃するのであって、高校の野球部を馬鹿にしたりはしないです。

 だから、逆に言えば馬鹿にされたり、攻撃されたとき、その人にとって自分はライバルだと思われてるということになります。自分からみて立派だなと思う人に攻撃されたのなら、それはむしろその人に認められているのかもしれません。逆に、自分が認めていない人に攻撃されるようでは、その人と同じようなところに自分がいるということなのかもしれません。

 だから、最初のツイッターの方は、ライバル視されていないことを不安に思ってもいいのかもしれません。東大の人に、お前は学歴が〜と言わせたら、それは誇っていいことでしょう。そのくらいしか言うことがないくらい、追い詰めてるわけですから。

 いや、その人がライバル的な存在だったらですけど…そんなポジションを張り合う必要のない世界が一番です。世界は平和であれ…!