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サメは悪い奴じゃ無い

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 レストランがあって、そのレストランは海に面しているというか、海の上に立っているというか、浮かんでいるというか、しっかり言えば船の形を模した海の上に立っているレストランで、そこのウリ?なのかわからないけれど、床が一部ガラス張りになっていて、その下には海面があって、ライトアップもされているので、食事を楽しみながら、時折そこを通過する魚たちを見ることができるのです、ということでした。

 ということで時々小さな黒い魚がフワッと動くのを謎の野菜やスープを食べたり飲んだりしながら、視界の片隅で捉えていたわけですが、その終盤、友人がアアっと大きな声をあげたのです。それに引っ張られるようにガラス床を見ますと、ノソリ、というか、ツルリ、というか、フルワリ〜というような感じで、でっかい魚が通っていったのです。それは大きさで言えば、多分イルカ?くらい。そしてその見た目は、完全にサメ。あの漫画とかで見るような、サメの顔をしていたわけです。シャーク!シャーク!と喜んでいると、お店の人が「サメ?見た?」と、時々来るんよ、サメ、みたいな雰囲気。我々もテンション上がって「イェアーー!!!イッツビィーッグ!」みたいな感じだったので、きっとお店の人は「このジャパニーズたちサメに対する食いつきが半端ねえ」と粋に感じられたのか、「オッケー5分待ってくれ、そうしたら俺が君たちにたくさんのサメをShowTimeだぜ」みたいな感じで去って行きました。

 私たちは訝りました。「サメを?見せる?たくさん?どうやって?」と訝りました。「このままこのガラス窓を覗いていたら、さっきの店員さんがバシャバシャとサメを追い立てながら現れるのか?」「いや最悪サメの着ぐるみをしたあの人がシャーク!と現れる可能性も」と訝っていました。寸後、店員さんが「マタセタナ!カモン!」と部屋の外に案内してくれまして、船の形をしたレストランですので、船縁に寄っかかるようにして海を見ますと、そこの海面には大量のパンが浮かび、そのパンを狙うように何匹ものサメがワッシャワッシャと踊り泳いでいたのです。言うたら、鯉に餌をあげたときみたいな感じ。あの鯉がイルカぐらいの大きさのサメになった感じ。

 そのダイナミックな光景に驚き、珍しいものを見れたと驚いたのも束の間、こんなにこの辺り、サメがいるんだ、と怖くなったわけです。なぜならこの辺りでシュノーケリングもしたし、カヤックもしたし、泳いだし、というわけで、このサメに遭遇していたとしても何ら不思議では無い、その場合我々の腕の一本や二本は持っていかれてた可能性は否定できない、どういうことだ、リゾートと思われていたここは魚類と哺乳類がぶつかりあう修羅の場であったのか。友人と「この大きさのサメだったら勝てるだろうか、マジで戦ったら多分ぎりぎり相打ちくらいはできるかも、いや陸上なら勝てるがやはり水中では奴らに利が」と真剣に討論をしつつ、店員さんに「危険じゃ無いのですか」と聞いたら、「ノウノゥ彼らはとってもフレンド。ノーデンジャラス」と嬉しそうで、人を一切襲うことは無いそうで、サメだから危険だなんてそんな安易な考えはもう捨て去るべきなんだ、すまなかったな、シャーク。そう深くうなづいた!!