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咳をしている看護師さん

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 昨今、何らかのウィルスが流行ってるので、咳をしようものならそれはもう大変な目で見られてしまうのですが、でもウィルス以外の病気でも咳はしますよね。

 例えば、咳喘息といって、喘息持ちの方が咳が止まらないこともあるわけですが、そういう方は今はもう電車にも乗れないくらいで、喘息ですっていうシールを貼ったりしているそうです。でも、それでも肩身が狭いわけです。だから、咳をしている方がいても、ウィルスだ!と決めつけてはいけない、そうすることは咳ハラスメントにもなりかねないわけです。

 ただ、喘息のシールのない方が、ゲフンゲフンと咳をしていたら、もしかしたらウィルス感染なのかもしれないのは、確かにその通りです。相手が知らない人であれば、その見極めは外見からは難しい。そんな中、仕事をしていたら、一緒に仕事をしていた看護師さんがゲフンゲフンと咳をしていたんですね。

 こ…これは…!喘息とか、だよね!?今の情勢で、万一普通に体調が悪くて、咳が止まらない状況だったら、一般企業でも休まないといけない中で、医療者が咳をしたまま仕事なんてめちゃくちゃ危ない。それはこの方もわかっているはず。だからこれはきっと持病の喘息なんだと思う!

 でも、でも、不安は消えないのです。それはスタッフを信頼していないからではなくて、「私が休んだら病院がヤバイ」という現状も理解しているからです。責任感があるからこそ、簡単には休まないという状況も理解しているのです。だから、ここはチームの仲間として、「喘息ですか?」と確認したほうがいいのか。でもそれは咳ハラスメントにならないのか。喘息ですかと聞くことは、間接的にコロナじゃないよね?と聞くことになる現状、それはハラスメントにならないのか、やっぱりスタッフを信頼していないことになるのではないのか。しかし万一どうしても休みを取りたいと言えなくて無理してしまって仕事に来ているとしたら、ここは強引にでも休ませないといけないはず、どうする、聞くべきか、聞かざるべきか、どうする。

 そうソワソワソワっとしていたら、一番上の看護師のボスが、その看護師さんにさらっと「大丈夫?」と聞きました。すると、「大丈夫です、喘息なんです」とお答え。

 そうか…それで良かったんや…。

 コロナか、喘息か、そんな問題じゃないんだ。咳をしているのはいずれにせよ辛いことなんだから、大丈夫か心配して慮ることが一番大事なんだ。その結果、この看護師さんも「喘息ですっ」て言いたかったんだと思うし、そのキッカケにもなったんだ。

 最近外来なり病棟なり、全て「コロナかどうか」にばっかり目がいってしまっていて、他の病気の可能性とか、そもそも患者がエライのか辛いのかそういうことが等閑になってしまっている気がします。もちろん、「コロナかどうか」は非常に大事なことなんですけど、それに感けすぎないようにする、余剰のパワーが必要だなあと思いました。