文字だけのブログ

文字だけしか使いたくない時に使うブログ

最高のクッションを買った

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ある日、家に帰ってきたら妻が「見せたいものがある」と背後に手を回しニヤニヤと登場しました。

その妻の背後にあるものは、これは何らかのプレゼント的なものに違いない、もしかしたら今私が一番欲しいもの、そうか、でかいMacかと一瞬思いましたが、でかいMacを背後に手首のリストの力だけで持つのは私の妻の力では難しかろう、ということで「何だろう〜」と頭をブンブンと振っていますと、妻がじゃーんと出してきたのは!!何と!とてもかわいいクッションなのです!!!

この文字だけのブログ、私が写真や絵などを準備するのが面倒なときに、文字だけでささーっと書けるために準備したブログでして、タイトルが文字通り「文字だけのブログ」なわけですから、写真を使ってこのクッションをお伝えすることが出来ません。いや、写真を使ってはいけないなんて誰が決めたわけではない、それは個人の趣味でやってる私のブログで、個人的に私が決めた私のルール、それを破ろうと誰に迷惑を書けるわけでもないし、この最高のクッションをみんなに見せたいという熱いパッションを大事にするべきではないかと思ったりもしましたが、しかし逆に言えば自分で決めたルールを守れるのは自分だけなのです。ここでこのルールを簡単に破ってしまったら、私は私を裏切ることになってしまう。私自信の、私への信頼を失うことになってしまう。私は、誠実で誇り高い私でいるべきなのです。

私は、頭の中の私自身と目を合わせ、深く頷きました。そうだよな、心配かけてごめん。お前を裏切るわけにはいかない。そして、俺ならできる。文字だけで、このクッションの良さを十全と伝えることが。

ということで、このクッションの良さですけど、まず見た目ですね。見た瞬間で、グッと心が鷲掴みにされる良さであふれているんですよ。この良さを形容詞で表すと、かわいいとか、いじらしいとか、色々浮かぶんですけど、どれも一つの形容詞でバシっと当てはまる物が無い。それはそんな簡単な言葉一つで表現できるような、ステレオタイプな「良さ」じゃないんです。このクッション、猫の顔をしたクッションなんですけど、猫の良さがもう凝縮して滲み出てるんです。爆発はしていない。滲み出てる。言うなれば地球の内部に煮えたぎるマグマが、溶岩としてテラテラと地表に溢れ出ているような、そんな良さ。決して派手ではない、華美ではない、でもそこに秘められた圧倒的な「良さ」の質量を感じざるをえない、そんな見た目なんです。

ちょっと抽象が過ぎましたか。そうですね、色は黒いです。そして、目と口と鼻が白い。鼻!この鼻がまた良いんですよ。もきゅっとしてるんです。わかりますか?もきゅっ。大好き。あとなんか耳と尻尾もついてる。クッションに尻尾とか、奇跡としか言いようがない。このクッションを作った方は、ノーベル平和賞と文学賞を同時に受賞してもおかしくない、多分そのくらいの革命を起こしたんです。

そしてこのクッションの良さは、当然のことですが、見た目だけじゃない。見た目だけの薄っぺらい男じゃないんですこの子は。まあ女かもしれませんが、とにかく機能美まで、実用的なコンディションまで完全に超一流。まるで墨汁を垂らしたかのように深く漆黒に染まる毛並みは、触れているのに、まるで触れていないかのような艶やかな肌触り。しかし押せばその手にふわりと跳ね返ってくる確かな弾力が、これが決してただの芸術なんかじゃあない、本物のクッションなんだと伝えてくるのです。もったいなくて座れないので、果たしてクッションとしての座り心地はどうなのかはわかりませんが、とにかく機能美がすごいのです。

ただ今、こうして、見た目、機能、それらを通じてこのクッションの良さを伝えようとして、どうしてもしっくりこない。それはなぜか。結局そういう言語化できることを超えた何か、それがこのクッションの「良さ」の一番のアイデンティティとして存在しているからかもしれません。それは多分、雰囲気。このクッションがそこに在るということ。結局それが全てであり、それしか無いのです。それがこのクッションの良さなのです。そして雰囲気を文字で伝えることは本当に至難の技です。正直、諦めかけている私がいます。文字だけなんていう制約に囚われ過ぎて、本当に大切なことを伝えられなくていいのか?私が私自身を裏切れないなんていう小さなエゴなんて、今や捨て去るべきなんじゃないのか?到底無理な話だったんだ、文字だけでクッションの良さを伝えることなんて。そう呟き、うつむき、膝をバシバシと叩く私の前に、私が現れました。私は、私の肩を優しく抱き、優しく首を振りました。その顔は確かに言っていました。諦めるな、お前ならできるよ、と。そうだよな、私は涙を拭き、何度も頷くと、彼に親指を立てました。ありがとう、ありがとう私。そして振り返った私に、もう迷いはありませんでした。

 

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これです!!!!!めちゃくちゃ可愛くないですか!!!!!最の高!!!!!