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おにぎりの話

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昨日もおにぎりの話だったような気がするのですが、気を強く持って今日もおにぎりの話。

私が小学校四年生くらいのころ、学校行事の一つに林間合宿というものがありました。泊まりで数日間過ごす、みたいな企画だったと思うのですが、その何日目かの朝、私は何となくお腹の調子が悪くて、朝ごはんが食べられませんでした。そしてその日はタイミング悪く、山登りをする予定の日。私は腹部に若干の不安を抱えながら、はらぺこで山を登りました。

幸い、途中とんでもない悲劇が訪れることもなく、下山することが出来たのですが、しかし、朝ごはんを食べず一山登って降りてくるとなると、すごいエネルギー消費だったようで、下山後、これはもう当時の人生では経験したことも無いような空腹感を感じました。空腹感というか、たぶんもう飢餓状態。歩くだけでフワフワする、めまいのような症状。今振り返っても、あの時が私のこれまでの人生の中で過去最高にお腹が減っていたと確信できます。そのくらいペコペコでした。

で、その状態の私に、遅めの昼ごはんのおにぎりが配られたのですが。実は、私は子供の頃、若干潔癖症の気があって、他人が握ったおにぎりが食べられませんでした。そして、その日の提供されたおにぎりは、何と朝に子供たちがみんなでワイワイと作っておいたおにぎりだったのです。自分が作ったものならまだしも、誰が握ったのかもわからない謎のおにぎり。それしかご飯が無い状態。

私はあの時、今でも鮮明に思い出せるくらい葛藤しました。食べたい気持ちと食べたくない気持ちが激しくぶつかり合い、困惑する。お腹が空いた、めちゃくちゃ食べたいけれど、食べたく無い。

結局、空腹が潔癖症を上回り、目をつぶるような気持ちで食べたんですけど、シソの入ったおにぎり。これがもう!めちゃくちゃ美味いのなんのって!!

空腹は最高のスパイスと言いますが、極限にお腹が空いたときのシンプルなシソのおにぎり、これはもう筆舌に尽くしがたい美味さであり、誰が握ったとかもうそんなのどうでもいい、これはもう先生!おかわり!という状態で貪り食べた覚えがあります。この時から、若干潔癖症の気も無くなって、人のジュースも飲めるようになったし、おにぎりも食べられるようになったわけです。

で、今この思い出を振り返ってしみじみと思うのは、子供が素手で握ったおにぎりを夏の炎天下数時間置いておいた後で無差別に食べさせるなんて、食中毒のリスクが凄すぎるので絶対にやってはいけなかった大丈夫だったのかアレは、とそういう気持ちです。