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大規模MMO「ザ・盆栽」を考える

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昨日、高齢者向けオンラインゲームがあると良いという話を書きました。

そこで例として挙げた「ザ・盆栽」に関してより具体的なゲーム内容を検討したいと思います。

 

まず、ゲームを始めますと、プレイヤーキャラクターメイキングから始まります。種族は当然「日本人」の一択なのですが、一択では寂しいので「秋田人」「大阪人」などと地方によって若干顔や体型の雰囲気が異なるようにしましょう。ただその辺りのメイキングが面倒となってはいけないので、写真撮影機能を利用することでプレイヤーの外見からなんとなく似たキャラクターを作ることもできる機能も搭載しておきます。

そして名前を決めたら、ゲームスタート。

プレイヤーは一見の荒屋に住んでいます。そこに、謎の「盆栽王」が現れ、プレイヤーの秘められし才能をなんとなく見出し、一つの盆栽を置いていきます。プレイヤーはまずその盆栽を育てることからスタートします。

盆栽を育てていく基本的な要素は、「日当たり」「温度」「湿度」「水やりのタイミング」「剪定」「植え替え」です。また、それらを行うための要素として、ハウジング機能、様々な道具を揃える必要があり、それらは定期的に開かれる盆栽コンテストの賞金を利用して購入することが出来ます。詳しくみていきましょう。

 

1 日当たり、湿度、温度

プレイヤーの出身地に応じて日照時間、天候変化が異なります。風の強さや、雪の頻度なども千差万別です。盆栽をそれぞれの家のどこに配置するかによって、天候から受ける影響が異なり、適切な水やりのタイミングなども変化します。日々変化する外界に対して、適切な盆栽の配置場所、対応を見極められるようになるまでは、熟練したプレイヤースキルが求められます。そのため、一般に複数の植物を育てることは難しく、初心者はまずはメイン職となる盆栽を決めてそれを一つ極めていくことが一般的となるでしょう。そのため「私はメイン松、サブでケヤキを少々」などとそういう自己紹介がされるようになります。また、獲得した賞金によって徐々にハウジングを進化させることで、囲炉裏を囲みながらそれぞれの盆栽を寸評しあうような憩いの場を作ったりすることもできます。

 

2 水やりのタイミング

「ザ・盆栽」はログイン中のみ時間が経過します。そのため、ログインできない時間に盆栽が枯れてしまうということはありません。その変わり、ログイン中は現実世界よりも速い速度で時間が流れるため、天候や季節の変化にも注意が必要ですし、また一番大事なのは水やりのタイミングとなります。

精密かつ高水準で描かれた美麗なグラフィックからは、植物の周りの土が乾いてきているのか、葉の貼り、艶はどうかまでが繊細に表現されています。そのわずかな変化を感じ取り、適切なタイミングで水を与える。それは一番基本的なことであり、一番難しいことでもあります。ワールドクラスの「ザ・盆栽」プレイヤーは「全ては水に始まり、水に終わる」と名言を残したとかどうとか。

 

3 剪定

成長し伸びゆく盆栽を、適切な樹形へと導く「剪定」。ここはプレイヤーの審美感が問われ、もっとも技術を要すると同時に、プレイヤーの個性を発揮できるところ。いわば既存のMMOにおけるドレスアップ機能です。剪定用具には盆栽はさみ、やっとこ、竹箸など様々な種類があり、レアな盆栽用具は高値で売り買いされています。しかし初心者はシーズナルイベントで提供されるようなイベント盆栽用具でも十分対応可能。まずは勇気を出して手を入れてみること。それが「ザ・盆栽」の醍醐味と言えるでしょう。

 

4 コミュニケーション

さて、そうして丹精込めて作り上げた盆栽を通じて、他者と語らう。それこそがオンラインゲームのウリです。定期的に開かれる大会では、出品者は同時に審査員ともなり、他者の作品を寸評します。自分の盆栽を前に何人ものプレイヤーともに色々と語りあうのは、楽しいことです。そして、晴れて大会で優秀な賞をとることができれば、大きな賞金を手にすることができます。そのお金では新たな盆栽を購入しても良いし、道具を揃えてもよい。大きな屋敷を作り上げてもよいわけです。

また、大会以外でも、「寄り合い」というクランシステムを搭載。「松の木倶楽部」「葉物の集い」などという寄り合いに参加することで、共通の趣味を持つ仲間たちと寄り合いハウスと呼ばれる別宅に集うことができるようになります。そこでは協力して盆栽を育てたり、ただ暮れゆく景色を眺めながら語らうこともできます。寄り合い同士が盆栽を出店し合うような大会もあることでしょう。

 

5 エンドコンテンツ

基本的にはライトプレイヤー向けのこの「ザ・盆栽」 、しかしコアなゲーマーの要求にも耐えられるようにエンドコンテンツを実装しています。エベレスト山頂での盆栽に挑む「絶対零度エベレスト盆破」は、低酸素、低音、暴風の過酷な環境の中で盆栽に挑みます。盆栽の維持のみならず一つ間違えればプレイヤーの生存すら危ぶまれ、複数人での強力プレイが必須であり、一人のミスが全員の命を奪うまさにエンドコンテンツ。その他にも、うっかりすれば盆栽が盗まれてしまう治安の悪い町での盆戦「聖守護者の盆栽」や、砂漠の真ん中でサボテンを育てつつその中に含まれる水分で命を繋ぐ「サハラ盆栽零式」など順次実装予定です。

 

ということで大ヒットの予感しかしませんが、いかがでしょうか、スクウェアエニックスさん!よろしくお願いします!